「この門を越えたら、私たちのアイカツが本当に始まる」
正門を見上げながら、そう自分たちを鼓舞する霧矢あおい。しかしその直後、あのアイドルやこのアイドルが敷地内を歩き回っているのを生で見て、アイドル
「やるからにはやる!一緒にトップアイドルを目指そうね!」と朗らかに語るいちご。しかし、あおいは知っていた。仲良しだからと言って、どこまでも共に歩んでいけるわけではないことを。
入学早々、二人は担任の先生・ジョニー別府からあるオーディションを提示される。それはグラビアやラジオやテレビの出演ではなく、トップアイドル・神崎美月の臨時マネージャーの仕事だった。合格者は美月の仕事に一日同行し、トップアイドルの姿を間近で見ることができる。しかし、合格できるのはより優れたパフォーマンスを見せた一人だけ。
どちらかしか受からないオーディションであっても、全力を尽くそうと誓い合う二人。
オーディションに向け、さっそく二人はジョニー先生の元で特訓を積む。ダンスレッスン、声出し、耐久握手、グラウンド十週……翻弄されるいちごと対照的に、なんとか食らいついていくあおい。
あおいは幼い頃から様々な習い事をしていたが、ある時からアイドルという文化に触れ、その自由な輝きに惹かれるようになった。あおいにとっては、ずっと昔からの憧れを実現する機会を得たのだから、手を抜いている場合ではない。
そしてオーディション本番が始まった。課題曲は「アイドル活動!」。
オーディションの模様は学内と学外に中継され、オーディエンスからの投票で勝者が決まる。
二人ともスペシャルアピールを出すことはなく、新入りとしてはまずまずのパフォーマンスだったが、いちごはダンス中に一度転んでしまい、結果、合格したのはあおいだった。
いちごは笑顔で祝福する。「あおい、おめでとう!」
オーディションを終えた夜。いちごはひとり、消灯時刻を過ぎた学園内を歩く。
「オーディションは楽しかったけど、あおいは美月ちゃんの臨時マネージャーになれるのか……ああ、いいなあ……」
少し落ち込むいちごの前に、神崎美月その人が突然姿を現す。
驚きながらも、思いの丈を美月に表明するいちご。美月みたいなトップアイドルに、あおいと一緒になってみせる、と。
「それはどうかしら。今日のオーディションで分かったでしょう?いくら仲の良いお友達同士でも、一緒に上がって行けるとは限らない。誰か一人が舞台に立てば、その裏には表に出られずに悔しい思いをしている人が何人もいる。それがアイドルの世界。これから先の戦いは、もっと厳しいものになるよ」
突き放した言い方をする美月、いちごは「私……がんばります」と言うことしかできなかったが、それでも美月はすれ違いざまに「来られるかな?私のところまで」と呟き、そっといちごを鼓舞して立ち去る。
月明かりの下、残されたいちごは、美月の言葉とまだ見ぬ自分たちの未来を心の中で反芻しながら、立ち尽くすのだった。
*****
スターライト学園の生徒は、全員が現役のアイドル。座学や実技を通してアイドルとしての力を身に着けながら、学内に来る様々な仕事のオファーのオーディションを受け、生徒同士で争うこととなる。
学内の資料館には、スターライトの卒業生のうち、トップアイドルの称号を手にした先輩たちの像が飾られている。一番いい位置にあるのは、二人組の仮面のアイドルユニット「マスカレード」の像。いちごたちが生まれる前に全盛を誇りながらも、人気絶頂期に引退を表明した。そのうちの一人、ヒメは引退に際し、仮面を脱ぎ素性を明かし、スターライト学園長、光石織姫となった。しかしもう一人のミヤは、ついに素顔を見せることはないまま表舞台から完全に姿を消した。
【今日の謎特訓】
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耐久握手マシーン |
美しき刃、紫吹蘭は出番なし。
こういう謎特訓が第2話にして出てくるところに、アイカツ!のただならぬ気配を感じ取れ。
この先のアイカツはもっと厳しいものになるぞ。
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