2015年7月30日木曜日

寄稿文『旧世紀エヴァンゲリオン FAKE GENESIS EVANGELION 鋼鉄の宴』第二章前半

第二章

西暦1946年2月25日
太平洋上――旧ミッドウェー島沖

 猿宮忌三一等飛曹がその飛行機の存在に気づいたのは、直援機隊のG55チェンタウロが、ほぼ壊滅状態に陥ったときのことだった。常人の目には、空母の飛行甲板から垂直に飛び立つ黒点としか写らない。しかしずば抜けた動体視力を持つ猿宮の目は、その奇妙な機体の構造を瞬時に把握した。
 鉛筆の芯のような胴体の中央から突き出ているオートジャイロのような三枚の回転翼――それが超高速で回転し、驚異的な上昇力を生み出している。
回転翼の先端に付いている円筒形の物体は、おそらく――ジェットエンジン。
「敵の新鋭機か。」
 忌三はそうつぶやくと、直援機との空戦を中断し、未知の脅威への盾となるべく、乗機の零戦54丙型――発動機を従来の栄1100馬力から1500馬力の金星へ換装した零戦の最終発展形――の機首を攻撃隊の方へと向けた。
  

2015年7月18日土曜日

映画『シン・シティ』"The Hard Goodbye"感想

 「この街では愛さえも闘いだ」

(日本での公開時のコピー)

 最近、『シン・シティ』(2005)のDVDを買った。

 本作の見どころは何と言っても、原作漫画がそのまま動き出したような鮮烈な映像で描かれる、三つの激しい愛。

 特に自分が気に入ったのが、本作の主人公のひとりであり、原作漫画の中でも牽引役である人物「マーヴ」と、彼のエピソード"The Hard Goodbye" だ。
 あまりに好きすぎて、セリフは覚えて毎日の生活の中で使う。

 例:「お前の(所持している)○○は、ずいぶん上等なもんだな」
(相手の持ち物を褒めるときに)

「俺は〇〇が好きだ。どんなに~~しても、心は痛まねえ」
(心が痛まないから好きなときに)

「最近の〇〇は、どれもこれも電気カミソリに見える」
(どれもこれも電気カミソリに見えるときに) 

「俺は道具をチェックする。○○、××、△△[……]、そして俺の両手」
(持ち物をチェックするときに。必ず自分の両手をカウントに入れよう)


 そしてこのエピソードで自分が感じたものを誰かと共有したかったけど、なにしろもう流行を過ぎた映画だし、ネット上でもあんまり長い感想は見当たらないしで、もう自分で感想を書き散らすことにした。 
あらすじなどは書いていないので、見ていない人間にはストーリーを理解しがたいが、
ネタバレは大盛という残念な感想文だけど。

 以下、特に断りが無ければ日本語吹き替え版のセリフを引用している。