2015年11月19日木曜日

寄稿文『旧世紀エヴァンゲリオン FAKE GENESIS EVANGELION 鋼鉄の宴』第四章前半



第四章前半

 沈没した敷波しきなみの乗員の救助作業の最中だというのに、大和から連絡用の内火艇ないかていが航空母艦蒼龍そうりゅうに横付けされ、連合艦隊参謀長の加持リョウジが乗り込んできた。  

2015年11月4日水曜日

寄稿文『旧世紀エヴァンゲリオン FAKE GENESIS EVANGELION 鋼鉄の宴』第三章後半




 空襲は終わった。国連軍(LLN)の攻撃隊は旧式機が多かった上に、連携がとれていなかった。その為ほとんどの機体が艦隊にたどり着く前に日本側の迎撃機に撃墜された。しかし、全ての機体が叩き落とされた訳ではなかった。
 攻撃隊の連携がとれていない以上必然的に発生せざるを得ないタイムラグにより、日本側の迎撃に僅かな穴が開いた。それは蝿一匹程度が通れるほどの大きさしかなかったが、その穴を突き破って一機のJu87が空母「蒼龍」に向かってえさを見つけたカツオドリのような見事な急降下を行い、爆弾を命中させていった。
 空母は脆い軍艦だ。それは仕方ない事だと思う。空母の最大の目的は艦載機を胎児のように保管し、艦載機達が巣立ちを控えた雛鳥がおずおずと飛び立つように飛行甲板から離陸するのを全力で援護し、長い戦いで疲れ果てた艦載機を暖かく迎え入れる事にあるからだ。空母は母であり、巣であり、子宮でもある。だから空母が脆いのは仕方が無い。だがその空母に爆弾を落とされるような乗組員は――糞だ。

2015年9月20日日曜日

寄稿文『旧世紀エヴァンゲリオン FAKE GENESIS EVANGELION 鋼鉄の宴』第三章前半



第三章


 「至急大和に向けて電文を打ってください。敵機。四十度。距離三千。高度三千。機数約六十機。機種はユンカース87T艦上爆撃機、フェアリーバラクーダMkⅤ艦上攻撃機、G55チェンタウロ戦闘機……」
 とつぜんぼくの目の前に現れた女性は、いきなりぼくにむかって命令口調で話し始めた。

2015年8月13日木曜日

両刃カミソリのすすめ


今日はカミソリについて書こう。

(書き上げてみたら、なんかめっちゃ長くなったからここで目次。
1.両刃カミソリを買った自慢
2.両刃カミソリを買うに至った経緯
3.両刃カミソリを使う際のTips)

(2017年10月7日追記:より新しい記事を書きました。下の記事は今自分で読み返すとうるさいので、できれば新しい方を読んで下さい。
http://sinzuk-solid-gene.blogspot.jp/2017/10/blog-post.html

2015年8月8日土曜日

寄稿文『旧世紀エヴァンゲリオン FAKE GENESIS EVANGELION 鋼鉄の宴』第二章後半



 「一刻も早く攻撃隊を発進されたし、なお、第一目標は敵新鋭戦艦にすべきと認む」
おれはそう書かれた電文を破り捨てた。米国本土で技術士官をしていたところを二階級特進させられ、突然艦隊の司令官にさせられたあげく、むちゃな命令を乱発されたせいで、おれの怒りは沸点に達していた。

2015年7月30日木曜日

寄稿文『旧世紀エヴァンゲリオン FAKE GENESIS EVANGELION 鋼鉄の宴』第二章前半

第二章

西暦1946年2月25日
太平洋上――旧ミッドウェー島沖

 猿宮忌三一等飛曹がその飛行機の存在に気づいたのは、直援機隊のG55チェンタウロが、ほぼ壊滅状態に陥ったときのことだった。常人の目には、空母の飛行甲板から垂直に飛び立つ黒点としか写らない。しかしずば抜けた動体視力を持つ猿宮の目は、その奇妙な機体の構造を瞬時に把握した。
 鉛筆の芯のような胴体の中央から突き出ているオートジャイロのような三枚の回転翼――それが超高速で回転し、驚異的な上昇力を生み出している。
回転翼の先端に付いている円筒形の物体は、おそらく――ジェットエンジン。
「敵の新鋭機か。」
 忌三はそうつぶやくと、直援機との空戦を中断し、未知の脅威への盾となるべく、乗機の零戦54丙型――発動機を従来の栄1100馬力から1500馬力の金星へ換装した零戦の最終発展形――の機首を攻撃隊の方へと向けた。
  

2015年7月18日土曜日

映画『シン・シティ』"The Hard Goodbye"感想

 「この街では愛さえも闘いだ」

(日本での公開時のコピー)

 最近、『シン・シティ』(2005)のDVDを買った。

 本作の見どころは何と言っても、原作漫画がそのまま動き出したような鮮烈な映像で描かれる、三つの激しい愛。

 特に自分が気に入ったのが、本作の主人公のひとりであり、原作漫画の中でも牽引役である人物「マーヴ」と、彼のエピソード"The Hard Goodbye" だ。
 あまりに好きすぎて、セリフは覚えて毎日の生活の中で使う。

 例:「お前の(所持している)○○は、ずいぶん上等なもんだな」
(相手の持ち物を褒めるときに)

「俺は〇〇が好きだ。どんなに~~しても、心は痛まねえ」
(心が痛まないから好きなときに)

「最近の〇〇は、どれもこれも電気カミソリに見える」
(どれもこれも電気カミソリに見えるときに) 

「俺は道具をチェックする。○○、××、△△[……]、そして俺の両手」
(持ち物をチェックするときに。必ず自分の両手をカウントに入れよう)


 そしてこのエピソードで自分が感じたものを誰かと共有したかったけど、なにしろもう流行を過ぎた映画だし、ネット上でもあんまり長い感想は見当たらないしで、もう自分で感想を書き散らすことにした。 
あらすじなどは書いていないので、見ていない人間にはストーリーを理解しがたいが、
ネタバレは大盛という残念な感想文だけど。

 以下、特に断りが無ければ日本語吹き替え版のセリフを引用している。

2015年5月3日日曜日

寄稿文『彷徨』

humihiko30氏から小説の寄稿があったので掲載するの巻。

届いてから一週間くらい放置してたのは内緒。