2015年7月12日日曜日

寄稿文『旧世紀エヴァンゲリオン FAKE GENESIS EVANGELION 鋼鉄の宴』 序章

humihiko30からの寄稿文。エヴァの二次創作小説の序章とのこと。


 

 西暦1912年、白瀬矗陸軍中尉率いる南極探検隊が発見したものは、本来まだ見つかってはいけないものと、本来この世界にあってはならないものだった。事態を重視した日本政府は、巨人調査のための大規模な調査団を南極に派遣したが、全世界規模の大災害「セカンド・インパクト」により壊滅。巨人の正体を解き明かすことはできなかった。しかし、白瀬探検隊が発見したもう一つの「もの」、この世界の創世から終焉までの出来事がすべて記されているといわれる書物「死海文書」の写本の解読に成功した大日本帝国はその後めざましい復興を遂げ、未だ「セカンドインパクト」の痛手から立ち直っていない欧米列強を尻目に大陸に進出。満州、モンゴル、チベット、そして中国を支配下に置いた。第一次世界大戦後、日本のアジアにおける勢力拡大に危機感を抱いたヨーロッパ諸国は日本を国際連盟から追放。国際連盟軍(略称国連軍)を結成し、大日本帝国に対して戦端を開いた。 

 戦争初期は日本軍が優勢に事を進め、東南アジア一帯を占領、インドをも勢力圏下においたが、米ソ両大国の国連軍加盟に力を得た国連軍は大反抗を開始、戦局は膠着状態に陥った。徐々に日本軍に不利になりつつある戦局を打破すべく、連合艦隊はハワイ攻略作戦を発動、既に日本軍の暗号の解読に成功していた国連軍はアメリカ軍を主力とする国連軍太平洋艦隊を編成し、連合艦隊を迎え撃つ体制を整えた。ますます混迷の度を深めつつある世界情勢の中、この戦いが長く続いたこの戦争の、そしてこの世界の最後の戦闘になろうとは、ごく一部の人間をのぞき、予想だにしないことだった。

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