2017年12月16日土曜日

トマト缶とオリーブオイルとアイカツ!149話(試作版)

 今日は、トマト缶を使ったトマトソースをベースに作れる、三つの料理のレシピの話をします。ついでに業務スーパーを活用します。
 想定している読者は、特に料理を教わっていないような自炊初心者、アイカツ!あかりGenerationを見て紅林珠璃に近づきたいと思った人などです。
 オリーブオイルとニンニク、トマトというアンダルシア地方やスペイン南部の料理を特徴づける素材を使っていきましょう。
 業務スーパーでの買い物の話、料理の簡単な理論、実際のレシピ、という三つのトピックで書いていきます。(先にこう宣言することでこの後の話が逸れていかないように気をつけている)
(推敲をしていないので、追々修正します。)

1.業務スーパーで買い物をしよう
 ・オリーブオイル
 地中海といえばオリーブオイルなので、何はともあれオリーブオイルを買いましょう。
 業務スーパーの店頭には、選ぶほどの選択肢はないと思いますが、大抵イタリアかスペインからの輸入品なので、そんなに香りの悪いものはないはずです。
 500mlボトルなら600円くらい、1Lボトルなら800円くらいで売っています。
 割高に感じるかもしれませんが、初めてであれば500mlボトルをおすすめします。
 この際は、きちんと「エクストラバージンオリーブオイル」であることを確認してください。「オリーブポマスオイル」という、5段階くらい程度の落ちるオリーブオイルと間違えないように。
 (16日追記:オリーブオイルは紫外線で香りが劣化するので、保管は冷暗所、例えば台所の下の物入れなどにしまってください。すぐ取れる場所に置きたい場合はボトルをアルミホイルでくるむと良いです)

 ・トマト缶
 業務スーパーはトマト缶がとっても安いです。400g缶が税込みで80円ちょっとです。これも地中海料理には欠かせないものなので買いましょう。ホールとカット、どちらもとても便利です。それぞれの利点などは後述しますが、僕は3缶は常備するつもりで買い続けています。(12月21日修正:本稿ではカットトマトを使うレシピのみに修正しました)



 ・香辛料
 業務スーパーの香辛料はとっても安いです。マジの業務用みたいな袋入りのはもちろん、テーブル用のあの小瓶でも十分安いです。モノによって価格が違うので単純にいくらとは言えませんが、例えば胡椒なら100円を切ります。
 袋入りだと「S&B」などの一級のものですが、小瓶は「Hachi食品」のものが多いですね。これです。(Hachi食品ウェブサイトのシーズニングのページ
 HachiはS&Bに比べると一枚落ちる印象ですが、安くて質の良いメーカーです。例えばレトルトのパスタソースなどは結構イケます。

 今回はトマトソースの話なので、オレガノを買いましょう。とは言え、家にバジルがあるなら買い足す必要はありません。
 バジル、オレガノ(付け加えるならローレル(ローリエ))は、どれか一つあれば十分です。一般に、乾燥オレガノの方が乾燥バジルよりも香りが長持ちすると言われていますので、オレガノを買うのがベターでしょう。

 また、チリパウダー(チリペッパー)もおすすめです。
 ただし一般にチリパウダー(チリペッパー)は唐辛子のみでできており、一味唐辛子との違いは粉砕の細かさだけですので、一味唐辛子、鷹の爪などが既にあるならば必ずしも買う必要はありません。

 ・ニンニク
 オリーブオイルで料理をつくる際にニンニクは外せません。中国産でいいので買いましょう。焼酎漬け、あるいは油漬けにするのならば、100円くらいの3つ入りがちょうどいいです。
 特に他の使い道を想定しない場合、とりあえずオリーブオイル漬けがおすすめです。煮沸消毒した空き瓶が必要になりますので、ご家庭のジャムの瓶か、あるいは業務スーパーの「鶏そぼろ」の瓶などをとっておきましょう。瓶の容量は200ml~300mlほどが適切でしょう。
 ニンニクの皮むきはいくつか方法がありますが、ここではすべてを一度に使うので、電子レンジを使う方法を書いておきます。
 ニンニクは房のまま、根のところを下から5mmくらい包丁で切り落とします。断面を下にして耐熱のお皿に乗せて電子レンジ(500Wか600Wの家庭用のものを想定しています)で一房1分加熱します。ちょっと熱を冷ましたら、皮をつまんで持ち上げるとスッと皮がとれます。(youtubeなどにたくさん動画があるので、ご参照ください)
 それから芽を取り除きます。芽を取り除くには、一粒ずつ真っ二つにするか、あるいは包丁の腹や鍋の底などで叩き潰す方法があります。
 次にニンニクを真っ二つ~スライス~粗みじん~みじん切りなど、お好みのサイズに刻みます。一般に、ニンニクは刻み方が細かいほど匂いが立つので、こだわる人は料理によって刻み方を変えます。特にこだわりがなければ、粗みじん(5~4mm角くらい)がおすすめです。
 それを煮沸消毒した瓶に入れ、オリーブオイルを瓶一杯に注げばOKです。お好みで鷹の爪などを入れても良いです。(ニンニクがオリーブオイルにしっかりと浸るようにしてください。オイルを使って減ったら継ぎ足しです。)

 ・冷凍玉ねぎ
 業務スーパーの冷凍玉ねぎは三種類。みじん切り、スライス、ソテーです。
 ソテーは500gで300円くらいするので買ったことありませんが、みじん切りとスライスは両方500gで100円くらいです。トマトソース用にはみじん切りがおすすめです。

 ・豆の缶詰
 業務スーパーは豆の水煮缶も安いです。400gで100円くらいです。日本の缶詰はもっと小さく、あるいは同サイズの輸入缶詰を他で買うともう少し高いので、お得です。ヒヨコ豆、赤インゲン豆、白インゲン豆、ミックスビーンズなどがあります。
 後で紹介するレシピの一つに使うので、お好みのものをぜひ買いましょう。

 ・コンソメ、ケチャップ、みりんなど
 安い。買おう。
 「みりん風調味料」はNG。

 ・ひき肉
 合挽きがオススメです。冷凍のものはもちろん、日によっては冷蔵のものが100gあたり78円とかなので、適宜買い分けてください。ひき肉にはナツメグがあると風味が良くなるので、可能ならナツメグも買いましょう。
 冷蔵のひき肉を冷凍保存する際は、ジップロックのパクリみたいなやつが売ってるので、それに300g~400g入れて、袋の中で軽くほぐして、潰して平らにして冷凍すると、使いやすいです。(参考リンク
 使う時は適量を折って出します。

2.料理の理論ーートマトソースを軸に
 まずは基本的なトマトソースの話をします。
 ここで、ベースとなるトマトソースは……「オリーブオイル、ニンニク、玉ねぎ、トマト缶、ケチャップ、コンソメ、塩コショウ」によって構成されます。
 これを軸に、本稿次節では三つのレシピを書くのですが、その前に料理の味についての理路を述べたいと思います。

 従来、味覚は甘み、塩味、酸味、苦味の四つで構成されていると考えられてきました。しかし近年では、これに「旨味(うまみ)」を加えた五つの味覚という説が主流です(ところで筆者と同世代くらいの人は、舌の味覚マップを習ったかもしれません。甘みを感じるのは舌先で~、というやつですが、これは最近の学説では概ね棄却され主流ではないようです。)。
 食物と味覚の関係性は、栄養素の観点から説明されます。
 甘みは糖分、すなわちエネルギーの存在を。
 塩味は塩分、ミネラルの存在を。
 酸味は発酵・腐敗の兆候、または酸の存在を。
 苦味は人体に有害な物質の存在を。
 そして旨味はたんぱく質の存在を示している、というわけです。

 料理をする際は、これらのバランスが大切になってきます。特に旨味で他の四味を下支えすることで、深みのある味になります。旨味成分は世にいろいろとありますが、大枠としては昆布、魚、しいたけ、干し肉、トマト、チーズ、香味野菜などで、これらを掛け合わせるとより深みが出ると言われています。市販のダシつゆなどが、昆布とカツオが両方含まれていることを売りにしたりするのはこのためです。

 トマトソースはトマトの旨味単体だと深みが足りないので、玉ねぎを足し、さらにコンソメを足すことで旨味を掛け合わせて底上げします。そのベースのトマトソースの構成要素に、さらに料理によって少しずつ違う要素を加えることで味の方向性を決めます。

3.ガーリックトマトソース、トマトと豆のカレー、チリコンカン
 ようやく実際の料理の話になります。
 最初に基本的な事項を言っておくと、ここでのレシピはすべて食材をみじん切りか1cm程度の角切りで統一します。
 また、味見をする際は、毎回水で口をゆすぎましょう。さもないと味が分からなくなり、どんどん塩を足してしまいます。
 そして火加減なのですが、基本的に常に中火推奨です。煮詰める際などは弱中火に落としてもいいです。ただ、何かが焦げ付きそうになった場合は、火加減をいじるよりも先に、急いでフライパンを持ち上げてください。ガスでもIHでも。
 さらに、食材を炒めるときは、あまり細かくかき混ぜないでください。表面に焼き色がつくまで待って、それから大きく、ひっくり返すように混ぜましょう(理屈としては「メイラード反応」がどうたらこうたらというやつなので、必要があれば調べてみてください。)。

・ガーリックトマトソース
 ここで書くのは、イメージとしてはガストのチキンステーキについてくるようなやつです。酸味と甘味、ニンニクの香りを強めます。
 構成要素を先に書くと以下の通り。「ニンニク、オリーブオイル、玉ねぎ、トマト缶、コンソメ、ケチャップ、砂糖、みりん、塩コショウ」。これで、フライパンに入れる順番通りです。

 このレシピの着眼は5つ 4つ。「オリーブオイルでコクを出す」、「玉ねぎは少なめに」、「トマトはホール缶」、「旨味を十分に」、「糖分でまろやかな酸味に」です。
 オリーブオイルはケチらずふんだんに使うことでコクが出て、酸味と調和します。この際オイルがソースと分離しがちなのですが、ホールトマトを使うと、皮だか種だかに含まれるペクチンが、オイルの乳化を助けてくれます。
 玉ねぎなどの香味野菜は、大量に入れる必要はありません。特に今回はトマトが主役なので、他の野菜は少なめの方が、味がとっちらからずスマートになります。
 旨味の補強としてコンソメキューブとケチャップを足します。
 トマトの酸味は結構強いので、砂糖とみりんの糖分でまろやかにします。このあんばいはお好みで調整してください。

分量
 オリーブオイル漬けにしたニンニク:大さじ1杯と半分くらい
 オリーブオイル:たくさん(大さじ3くらい?私は計って使ったことがありません)
 玉ねぎ:小さめのもの1玉か、冷凍のみじん切りを50gくらい
 トマト缶(ホール):1缶(400g)
 コンソメ:キューブ1つ
 ケチャップ:大さじ2くらい
 砂糖:大さじ1くらい
 みりん:大さじ1くらい
 塩コショウ:味がいい感じになるように

手順
 1)フライパンにニンニクとオリーブオイルを入れて火にかける→香りが立ってうすく色づいたらOK(ニンニクはすぐ焦げるので集中していてください)
 2)玉ねぎを入れる→こちらも色づいたらOK
 3)トマト缶をぶち込む(缶の中に残ったジュースは、缶に水を半分くらい入れて余さず使う)
 4)コンソメを入れ、溶かしながらトマトを潰す→よく溶けたらOK
 5)ケチャップを足す
 6)砂糖とみりんを入れて煮詰める(もしローリエがあればここで投入)→かさが三分の二くらいになって、少しとろみが出たらOK
 7)塩コショウで味を整える→完成

 これはおいしいです。チキンソテーやフライなどによく合います。
 粉チーズと一緒にパスタにかけるのもおすすめですし、なんなら白飯にかけるだけでもイケます。
 食べる時にオレガノを振ってください。
 
 「ニンニク、オリーブオイル、玉ねぎ、トマト缶、コンソメ、ケチャップ」は、後の2つのレシピでも共通の行程です。

・トマトと豆のカレー
 構成要素は、「ニンニク、オリーブオイル、玉ねぎ、じゃがいも、ひき肉、塩コショウ、ナツメグ、カレー粉、トマト缶、コンソメ、ケチャップ、豆水煮」です。
 着眼としては、今回の玉ねぎは具材の一つなので、量を抑える必要はないです。

分量
 オリーブオイル漬けにしたニンニク:大さじ1
 オリーブオイル:たくさん
 玉ねぎ:大きめ1玉か、冷凍みじん切り150gくらい
 じゃがいも:こぶし大のもので2つくらい(1cm角に切ると煮崩れしません)
 ひき肉:200g~400gで好きなだけ
 カレー粉:大さじ4くらい(19日修正)
 トマト缶(カット・ホールどちらでも):1缶
 コンソメ:キューブなら2つ
 ケチャップ:大さじ2くらい
 豆水煮:1缶(使う際はザルにあけてすすぐといいですが、まあそのままぶち込んでもいいです)

手順
 1)ニンニク、オリーブオイル、玉ねぎ、じゃがいもを炒める→概ね火が通ったらOK
 2)ひき肉、ナツメグを入れて炒める。冷凍なら解凍せずにフライパンに入れて、あまりいじらず、焼き色がついたらほぐす→概ね火が通ったらOK
 3)カレー粉投入→カレーっぽいいい香りが立つので、それを満足するまで堪能したら次のステップへ(19日追記:カレー粉は焦げると良くないので、実際には手早く済ませましょう)
 4)トマト缶、コンソメ、ケチャップ、豆水煮を投入して混ぜる(ホールトマトなら潰す)
 5)塩コショウで味を整え、煮詰めて、いい感じだなと思えたら完成

(16日追記:もしカレー粉でなく市販のカレールーを使う場合は、油・塩を減らし、コンソメを抜いてください。カレー粉が一般にスパイスのみで構成されるのに対して、ルーの主たる要素は、スパイス、塩、油、旨味成分なので、それらを差し引きすることになります。)

・チリコンカン
 これが本番です。なぜなら、チリコンカンとは紅林珠璃だからです。(錯乱)

 以下は、アイカツ!149話で紅林珠璃が食べていた「トマトチリソース」の画像です。 

  この料理を「トマトチリソース」と呼んだのは黒沢凛ですが、しかしこの「トマトチリソース」とはどのような料理でしょうか?

  「トマトチリソース」でGoogle画像検索をしても、上位に来る画像でこういった料理はありません。上位に来るのはエビチリや卵のトマトチリソース炒めなどですが、149話本編を見れば、明らかに中華料理のチリソースや東南アジアのスイートチリソースなどではありません。
 注目すべきは、「トマトチリソース」の中身の、なにか茶色の肉片のようなものと白いんげん豆的なもの、そしてそのボウルに添えられたチップス様のものです。さらにメキシコ料理の話と関連付けて語られていることから、これはメキシコ料理(含テクス・メクス料理)であることが推測できます。
 となると、この「トマトチリソース」なる料理は、いわゆる「チリコンカン」「チリビーンズ」であろうと結論付けられます。そして添えられているのはトルティーヤチップスですね。(トルティーヤは焼き立てが一番ですが、翌日以降冷めて固くなったものを揚げ、トルティーヤチップスとして食べることがあります)

  というわけで!チリコンカンを作るということは、紅林珠璃に近づくための重要な一歩だと言えます!(拍手喝采)

  チリコンカンの構成要素は「ニンニク、オリーブオイル、玉ねぎ、ひき肉、ナツメグ、塩コショウ、トマト缶、コンソメ、豆水煮、ケチャップ、チリパウダー」です。
 が!ここは紅林珠璃により近づくために、無くてはならない一品を足しましょう!
 それはハラペーニョです!
 業務スーパーでは、スライスハラペーニョの酢漬け缶詰が100円ほどで手に入ります!開封後は空き瓶に移して保存しましょう。

分量
 オリーブオイル漬けにしたニンニク:大さじ1
 オリーブオイル:たくさん
 玉ねぎ:大きめ1玉か、冷凍みじん切り150gくらい
 ひき肉:好きなだけ
 トマト缶(どちらでも):1缶
 コンソメ:キューブで3~4個
 ケチャップ:大さじ2くらい
 豆水煮(アイカツ!準拠なら白いんげん豆、スペイン料理に寄せるならひよこ豆):1缶
 ハラペーニョ:スライスで5~6切れ(チリパウダーと合わせて辛くなりすぎない程度に好きなだけ)
 チリパウダー、唐辛子など:好きなだけ

手順
 1)ニンニク、オリーブオイル、玉ねぎ、ひき肉に火が通ったら、ナツメグと、塩コショウを少し振る
 2) トマト缶、コンソメ、ケチャップ、豆水煮を入れ、軽く混ぜる。ハラペーニョを入れるならここで。チリパウダーなど好みの香辛料を入れて、とろみがつくまで煮込みます。
 3)完成

 こんなモンは煮込み料理なので、テキトーでいいんです。
 
4.まとめ
 いかがでしたでしょうか。
 業務スーパーに行くと、いくつか応用の効く料理が作れるようになり、紅林珠璃に近づけるということがお分かりいただけましたね?


 そういうことだよ。分かったな。御託はいいから料理をして飯を食え。
 野郎だろうが関係ねえ。言い訳は聞きたくない。

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