2017年1月13日金曜日

貧困層でもできる初心者向けランニング入門 ~BORN TO RUN!走らない奴は人非人だ!~

ちょっとした健康のためにランニングを始めたいけど、お金をかけたくない人向けの文章。
ついでにケガや痛みを避けるための話も少し。
(筆者は東京在住なので、もっと寒い地域の人はここで書いてあるよりもう少し服に工夫が必要かも)

1.買うべきもの

2.ランニング理論

3.実践編


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1.買うべきもの


上半身:速乾性のTシャツ。 +ウインドブレーカー(冬用)。
下半身:速乾性の半ズボン。 or 薄手の長ズボン。(冬用)
靴:ワークマンの「建さん2」。 (+パイルの靴下)
 何よりも大切なのは、この「建さん2」を買うこと。他のものは後から揃えても良い。



解説
 【速乾性のTシャツ】
 西友の衣料品コーナーとかで一枚千円以下で売っているはず。その他、ワークマンやホームセンターに行けば、吸汗速乾Tシャツは安く手に入る。筆者は西友で500円くらいで買った。速乾性のTシャツはどんな運動にも使えるし、色を選べば日頃の服にも出来るから便利だよ。白ならワイシャツの下に、カラーならカジュアル着に。

 ちなみに、自衛隊に入ると、PX(売店)で一枚千円くらいの吸汗速乾Tシャツを買うことになると聞いたことがある。色の選択肢は、緑(オリーブドラブ色、まったく鮮やかさのないシブめの緑色)と迷彩。迷彩服の下は、このどちらかの色しか着てはいけないんだとか。つまり、巷でOD色の速乾Tシャツを買っておけば、いつ経済的徴兵制が実施されても平気ってワケ。
 ただ、速乾Tシャツなんかの化学繊維の服は、高熱で溶ける。迷彩服(野戦服)は難燃素材でできているので、火に巻かれても直ちに焼け死ぬことはないけれど、肌着が化繊だと繊維が熱で溶け、皮膚の火傷の処置を難しくしてしまう。戦場を想定するなら、ODの綿のTシャツが安心だね。

 【ウインドブレーカー】
 冬用。別にジャージの上衣でもいいんだけど、せっかくなら風を通さない化繊の服が良い。風さえ通さなければ、冬でも厚着しなくて済むし、ひいてはランニングを続けやすくなる。
 町のスーパーの二階とかにある衣料品エリアで、ノンブランドのシーズンオフ品とかなら千円以下で手に入るはず。ちなみに筆者が着ているウインドブレーカーはダイエーで700円くらいで買ったやつ。ペラッペラの薄手だけど、ポリエステル100%で風も防げるし、身体側はメッシュ地なので着心地もそこそこ悪くない。(良いとは言ってない)
 2017.01.27追記:ワークマンのACTIVEナイロンヤッケが良いとも聞く。誰か買ったら着心地教えてください。

 【速乾性の半ズボン】
 西友の衣料品コーナーで800円くらいじゃないかな。長ズボンで走ったっていいけど、暑いし、どうせなら日焼け、しよう!

 【薄手の長ズボン】
 冬用。 なぜ薄手かと言えば、洗濯が楽だから。


 上述の服は、全部速乾性だったり薄手だったりする方が良い。

 特に、夏場はめっちゃ汗かくのに、洗濯は直ちにするわけじゃない。そういうとき、服はハンガーにかけてちょっと乾かしておけば、洗濯の日までにものすごい臭くなったりすることがない。あるいは手洗いしても良い。薄手だと汚れはすぐ落ちるし、そもそも泥まみれになるわけでもないから、水洗いですぐ天日干ししたら充分殺菌できるんじゃないかな。(投げやり)

 すぐ洗える、すぐ乾く。するとすぐまた次のランニングができる。

 続けるのが難しい物事は、手間を最小にするのがベスト。ランニングするたびに服にまで気を使うのは面倒でしょう?
 冬も、寒いから厚着をしたくなるところだけど、あえて冬も薄手で少ない服にしよう。ランニングに行くまでにゴチャゴチャ着替えが必要だと、面倒になっちゃうからね。なるでしょ?え?私だけ?
 (ただし汗が冷えるとメッチャ寒いので、走り終わったらさっさと帰ろうね。)


 【ワークマンの「建さん2」】
 このページの一番の推しメン。その値段、なんと680円
 布の靴の底にゴムを引いただけだから、実質地下足袋みたいなもの。
 可能であれば同じくワークマンで何か安いパイル靴下を買うといい。2足500円くらいでなにかあるでしょう。(適当)パイルの靴下は、靴とのフィット感を上げてくれるし、靴擦れも防げる。ブーツを履くときにも便利だしね。
 ワークマンが近所になければ、ホームセンターで「作業靴」「軽作業靴」「たびぐつ」を探せば、「建さん2」と同等の品が出てくる。

 ランニングには踵にクッションのついたランニングシューズが必要だ、と考えている人も多いかもしれないけど、この靴があれば十分!
 その理由は次章。


2.ランニング理論


 ランニングをしていて困るのは、何と言っても足の痛みでしょう。
 じゃあなんで足が痛くなるんだろう?
 そんな疑問から書かれた本、クリストファー・マクドゥーガル『BORN TO RUN』によれば、足が痛くなるのは平たく言えば靴が悪いせい。
 靴が悪く、その靴に合わせた「走り方」が悪いから、足が痛む。

 多くの人がやっている走り方は、つま先で地面を蹴り、踵で着地し、ストライド(歩幅)を大きく取る、リアフット走法。ランニングシューズが踵のクッションをマシマシにしているのは、この走り方が前提だから。

 しかし、世界的なマラソンランナーや、100kmを超えるウルトラランナー選手、サンダル履きで何十キロもの距離を走破して日々暮らしている民族の走り方は、小さなストライドで走り、足の前の方で着地し蹴り出す、フォアフット走法。「つま先立ち」というか、「摺り足」というか、そんな感じの、踵を地面に着けない走り方。土踏まずやヒザのバネを活かせるのはこちらの走り方だと。

 でも、ランニングシューズみたいに踵が高くなっている靴で、フォアフット走法をするのは難しい。踵が持ち上げられてしまっているから、さらに踵を上げようとしたら本当のつま先立ちになってしまう。
 リアフット走法が踵のクッションを必要とし、ランニングシューズの踵クッションがリアフット走法を規定する。

 何より困ったことに、ランニングシューズは足の故障を防ぐことに寄与しない。『BORN TO RUN』によれば、高い靴は故障を防がないどころか、2倍高い靴を履いたグループの方が2倍故障をした、というデータもあるそうな。

 “裸足でリアフット走法をしたら痛くて仕方ない。だからクッションに頼る。しかしクッションは痛みを和らげているだけで、衝撃がなくなるわけではない。クッションで包まれた卵ならハンマーで叩いても割れない、なんてことはないだろう?”

 みたいな例えが書かれてたと思うよ。よく覚えてないけど。
 とにかく、踵のクッションは痛みを和らげてくれても、衝撃はほんの少ししか軽減してくれないし、結局踵やヒザに溜まっていくよってこと。骨に衝撃が溜まるたびに5セントもらってたら今ごろ大金持ちだぜってワケ。

 まあとにかく、ワークマンの建さん2とフォアフット走法を信じろってこと。
 (『BORN TO RUN』は面白い本だから、細かいことは実際に読んでみてね。今は筆者の手元にないから質問されても応えられないし)


3.実践編


 快適なウェアを買い、なにやら素晴らしいという靴も買った!
 これで何キロでも走れるぜ!明日の朝には熱海くらいには着いてるだろ!

 そう思って走り出す前に、ちょっと待って!

 フォアフット走法は、人体を最大限に活用する走り方だけど、それだけに、ちゃんと身体を慣らさないと、これまでのリアフット走法では使われていなかった筋肉やスジや関節を痛めてしまう。
 だから、この章では身体を慣らすことについて書こうと思うよ。

 A.まずは踵を浮かせた姿勢に慣れること!
 ひと昔まえに流行った、健康スリッパみたいに、踵を浮かせた姿勢に慣れよう!
 土踏まずやふくらはぎの筋肉を目覚めさせないといけない。
 ブックオフで立ち読みをしたり、電車で吊革につかまったりしている間も、ときどき、そっと踵を浮かせてみる。ことさらに踵を上げるのではなく、重心を足の前半分に移すようなイメージで。

 B.建さん2でウォーキング!
 突然走ると身体がびっくりするから、ウォーキングから始めよう。最初の内は身体が慣れてなくて、意外と短い距離で足の筋肉が疲れ果てるよ。あんまり遠くには行かないようにしよう。
 慣れてきたら、日常生活を建さん2で送るといい。でも冬は寒いよ。雨の日も最悪だよ。

 C.ランニング!ゆっくり、短く、姿勢を考えながら。
 リアフット走法では脚を大きく前に出していたと思うけど、フォアフット走法はあまり脚を体より前には出さない。身体をほんの少し前傾させて、脚は身体の真下あたりから後ろに蹴り出す。
 ストライドは広くせず、ピッチを早くする。そう、ニンジャみたいにね。
 踵は着くなよ!建さん2でリアフット走法やったら一瞬で足ぶっ壊れるからな!



 こうして、フォアフット走法のしっくりくる姿勢を見つけたら、あとは好きなだけ走ればいい。

 もし三日坊主になっても、買いそろえたものは全部安くて、使いまわしの利くものだから、部屋着にでも、体育館履きにでも、掃除用にでも、テキトーなときに使える。
 まあ、とにかくホームセンターやワークマンで服を買いなさいってこった。

 ところで、退屈だからって走りながらウォークマンを聴くと警察に逮捕されるぞ。
 「午後の紅茶」を午前に飲むのと同じくらいの大罪だから。





 あ。
 あけましておめでとうございます。
 今年もなにとぞ。

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